今日の安全に関する工業基準は、怪我や機械が損傷を受けるリスク軽減に役立つガイダンスを提供するだけでなく、職場の生産性も向上させます。ANSI / ASSE 1 Z244.1-2003(R2008)¹ およびANSI /PMMI ² B155.1-20062規格は、どのようにすれば安全な作業環境を促進し、同時に企業が生産性を向上できるかに関する良い例を示しています。
ANSI / ASSEZ244.1- 2003(R2008)『危険なエネルギーのロックアウト/タグアウト制御と代替方法』規格は、製造業者が、もたらされる安全性を向上させながら、安全手順の実行に必要な時間を短縮することの必要性に対処しています。以前は、単純な詰まりを解消するという日常的な作業において、複数のエネルギー源でロックアウトを実行するために、作業者が機械のさまざまな場所に移動するのにかなりの時間を費やしていました。
『時間=お金』の方程式により、作業者は手っ取り早い方法を取ります。これらの簡単な方法には、いくつかのロックアウトポイントが欠けていたり、機械に接続されている全てのエネルギー源がロックアウトされていない場合があります。ロックアウトポイントは、機械への通電を防ぐために存在するため、1箇所でもロックアウトタスクを怠ると、作業員の負傷または機器の損傷のリスクがが高まる可能性が非常に高くなります。
 
¹ ANSI(American National Standards Institute) ASSE(American Society of Safety Professionals)  = 米国国家規格協会
² PMMI (Packaging Machinery Manufacturers Institute)= 包装加工技術協会
 
現在のANSI / ASSE Z244.1-2003(R2008)規格では、(特定の状況下で)必要なロックアウトの場所を1箇所に減らし、オペレーターの近くに配置できるようにすることで、この問題に対処しています。適切に実装されている場合、そのようなシングルポイントロックアウトは優れた安全ソリューションを提供し、ロックアウトイベントによる機械のダウンタイムを最小限に抑えることができます。これらの2面性の目標を達成するには、システムは2重チャネル、低電圧施錠可能スイッチ、2重高制御信頼性リレー、ROSS DM2 ® シリーズダブルバルブなどの高制御信頼性機器を備えた専用制御システムでなければなりません。
ロックアウトの場所を1箇所に減らすことは、『シングルポイントロックアウト(以下、SPLO)』と呼ばれています。この代替方法は、通常の生産や機械の操作に関連するタスクにのみ使用でき、特定のタスクに対してリスクアセスメントを行って、タスクがSPLOに適しているかどうかを判断しなければなりません。では、SPLOがなぜそれほど人気があるのでしょうか︖ それは、作業者が急いで機械をロックアウトしようとしているとき、あるエネルギー源のロックアウトを見逃したり、スキップしたりしてしまう可能性を減らすことができます。ロックアウトが適切に行われているということをより確実なものとすることで、作業者と機器の安全性が向上します。さらに、SPLOは、機械をセーフモードにするために必要な時間も短縮します。
ROSSのDM2 ®シリーズバルブを使用しているある企業は、シフトごとに平均8回詰まりが起こるある特定の機械で、ロックアウト時間を4分以上短縮することができました。つまり、シフトごとの機械稼働時間は32分、1日あたりにすると1時間36分多くなります。驚くべきことに、これにより、5日間で生産時間をさらに8時間増やすことができています。
ANSI / PMMI B155.1-2006『包装機械および包装関連加工機械』規格の安全要件は、包装機械および包装関連加工機械の安全要件に対処しています。現在、この規格は、機械の保守時にさまざまなシステムから空気圧を遮断して解放する安全遮断・排気弁の使用を要求しており、それらは以下の仕様である必要があります。
上述したように、リスクアセスメントは現場で起こり得るトラブルの原因となる“リスク”を明確化し、トラブルを未然に防ぐための対策について考えるまでの一連の流れを指します。そして、リスクアセスメントの結果に基づいて対処することを「リスクマネジメント」といいます。
1) OFFの位置でのみ施錠が可能
2) 操作が簡単
3) 供給口の容量以上の排気能力を持つ排気口を装備
4) 圧力を可視化できるインジケーターを装備
最も一般的な包装関連アプリケーションで、ほとんどの場合使用されているボールバルブのように排気ポート用には非常に小さな通風孔しかない場合でも、遮断・排気バルブが閉じられると空気圧が直ぐに、かつ完全に消散しているという誤った認識があり得ます。
大口径排気ポートを必須要件にすることで、この状況を回避できます。たとえば、100 psig(≒0.69Mpa)の圧縮空気を1立方フィート(≒0.028立方メートル)排気すると、小さな排気口しか無いボールバルブ(25A)で排気するには4分間掛かりますが、それとは対照的に排気口も25Aの大きさの遮断・排気バルブ(25A)は、1.2秒で空気圧を排気してしまいます。作業者は、システム内の空気圧を排気するのに時間が掛かる可能性があることに気づかず、空気圧が完全に排気される前に手元のタスクを初めてしまう可能性があります。フルサイズ(大口径)の排気ポートを備えたバルブを使用すると、この状況を回避できます。安全レベルの向上に加えて、時間とお金の方程式は問題を提起します。
特定のタスクのダウンタイムを最小限に抑えることの価値は何なのでしょうか︖(この例では99.5パーセント)ROSSのL-O-X ® バルブは、大口径排気ポート装備を含んだ ANSI / PMMI B155.1-2006 が要求するすべての要件を満たしていますが、通風孔付ボールバルブの大部分は満たしていません。したがって、『規格』に準ずることは、安全性とアップタイムを向上させることを覚えておいてください。『安全性+生産中の機械稼働時間 = お金』は、ANSI / ASSE Z244.1-2003(R2008)およびANSI / PMMI B155.1-2006規格の基準を満たす方程式です。
