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ダブルバルブのモニタ化のススメ その1

『ダブルバルブ故障の注意点とは?』

プレス機械向けクラッチ&ブレーキ用複式電磁弁(ダブルバルブ)は安全を考慮して内部構造が二重化されています。実はダブルバルブには、見落としがちな故障の注意点があります。ここからはバルブの構造/動作を図を見ながら、故障の注意点を確認していきます。

プレス構造規格/日本(1978年改訂)

(クラッチ又はブレーキ用の電磁弁)
第二十七条 空気圧又は油圧によってクラッチ又はブレーキを制御する機械プレスは、次の各号に適合する電磁弁を備えるものでなければならない。(以下略)

 一 複式のものであること。
 二 ノルマリクローズド型であること。
 三 空気圧により制御するものにあっては、プレッシャーリターン型であること。
 四 油圧により制御するものにあっては、ばねリターン型であること。

 

シングルバルブは、通電OFF後、バルブが閉じなくなると機械が停止せず、プレス作業者が『挟まれ事故』等の危険な状況に直面する恐れがありました。

 

 

一方、構造規格で定められたダブルバルブは、弁体が二重化構造。バルブに通電ON/OFFすると、A/B弁体はほぼ同時に開/閉動作します。

その為、B側が故障(通電OFF時に閉じない)しても、A側が閉じて確実に二次側エアを排気します。 片側が故障しても確実に排気することがダブルバルブの役割です。

 

一見、安全に見えるダブルバルブです。ダブルバルブは故障したら自動で”止まる”とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。実は、ダブルバルブは、B側が故障状態でも再通電すると動作してしまうのです。 これは正常なA側だけが開閉動作していて ”シングルバルブ” で操業しているのと同じ状況です。

 

B側が故障したまま操業を続けると正常なA側もいつ故障しないとも限りません。そして、A/B両方とも故障すると・・・

 

ダブルバルブであっても、プレス不停止の原因となってしまう場合があります。その為、片側の弁体が故障したら早急な点検・修理が必要です。片側復帰不良の故障の兆候が実はあるんです!貴社ん工場内で起こっていませんか? ダブルバルブの排気ポートからのエアー漏れ! このエアー漏れが故障の兆候です。

 

 

エア漏れはすぐに気が付きたいところですが実際の製造現場では、以下の様に発見が困難です・・・

普段はなかなか気が付かない故障(通電OFF時の復帰不良)をバルブ自身がお知らせする機能があります。それが”モニタ(監視装置)付き”ダブルバルブです!ROSSは規格が制定されるよりずっと以前の1954年に初めてモニタ付きダブルバルブを発売しました。

 

ROSSの代表的な製品 モニタ(監視装置)付きダブルバルブ